当院の小児外科のご案内です。
外来日
特徴
特徴1 - 姶良・霧島地区の小児医療の中核的役割
霧島市の15歳未満の小児人口は約2万人と想定されます。地域包括ケアの中で地域完結型の中核病院として小児医療の充実を目指してやってきました。小児外科医は現在常勤ではありませんが、できる限り小児科医に協力し当センターでの小児医療に貢献したいと思っています。
特徴2 - 鹿児島大学小児外科や地域の小児科開業医との密接な連携
当院の小児外科は完全紹介型で二次医療が主体となりますが、一次医療を担当されておられるクリニックや病院と密接な関係を保ち、小児科クリニックの先生方をサポートできるように努めます。また、重症な患者さんには専門的な判断により遅滞なく鹿児島大学へ紹介します。外来診療時間は月曜日午前・午後、水、木の午後となりますが、柔軟に対応したいと思っていますのでセカンドオピニオンを含め気軽にご連絡、ご紹介ください。
特徴3 - 小児外科疾患の特徴
小児外科医が扱う疾患の詳細は日本小児外科学会ホームページに記載されていますのでご参考ください。日本小児外科学会-小児外科で治療する病気(外部サイト)
小児外科医は小児における「一般外科医」で、頸部、心臓外科以外の胸部外科(縦隔、気道外科、肺外科)、肝胆道系および直腸肛門まで含む消化器系はもちろんのこと腹壁を含む腹部外科を扱います。成人の外科医と際立って異なるところは、1.新生児、未熟児の外科、2.化学療法がよく効く小児悪性腫瘍の集学的チーム医療としての外科、3.小児外傷、この3つの分野をカバーできることです。小児外傷では例えば、脾損傷は小児でよくみられる外傷ですが、成人外科医は安易に脾摘をしがちですが、小児おける無脾状態は易感染性を惹起することになり、ほとんどの症例で保存的治療が奏功するので小児外科医は安易に脾摘はしません。
一方、実際の日常の小児外科臨床で扱う頻度の高い疾患としましては、鼡径ヘルニア、臍ヘルニア、乳児痔瘻、胸郭異常(漏斗胸)、体表の小腫瘤などで、緊急性のあるものとしては虫垂炎や腸閉塞などの急性腹症、消化管出血があります。鼠径ヘルニアなどは短時間手術ですので、日帰り手術が可能です。日帰り手術を希望される方は申し出ていただければ対応いたします。
また、小児外科で扱う子どもの病態として比較的多いのは便秘です。直腸肛門奇形やヒルシュスプルング病との鑑別が重要ですので、小児外科医に紹介されます。小児の便秘は成人や高齢者の便秘とは異なり、その原因が心理的な要素にあることも多いので、その場合便秘になっている原因分析とその排除が必要です。近年、便秘治療薬にも選択肢が増えましたので、適切な治療薬の選択と心理療法とを総合的に組み合わせた個々の患児に合わせた対応が必要です。便秘外来は特に分けずに、月、水、木曜日にご来院ください。 その他、小児外科医は重症心身障がい児の在宅医療にも深くかかわっています。胃瘻造設された場合の胃瘻の管理や気管切開カニューレの管理をやっております。
特徴4 - 本院での新しい試み
1. 便秘外来
子どもの便秘は多くの場合心理的な要素が大きいです。治療も幅が広く、母親とともに繊維成分の多い食生活も考えねばなりませんし、時に宿便と言って、慢性便秘から直腸・大腸内に便が詰まっている場合があり、この場合にはいったん摘便し、直腸内を空虚にしてから治療を始めなければなりません。治療薬にも選択肢が増えましたので、適切な治療薬の選択と心理療法とを総合的に組み合わせた個々の患児に合わせた対応が必要です。
2. 機能性胃腸症
コロナ禍、学校生活がいろいろと制限され、子どもたちの自由が奪われていることから心理的要素の多い腹痛や腹部膨満感などが増えています。当院では公認心理師と小児科医と小児外科医がチームをつくり、子どもたちやご両親の心理的サポートを行っております。ご利用ください。
3. 日帰り手術
日帰り手術の条件は以下のごとくですので、該当しており、希望される場合はご利用ください。
- 心疾患、喘息など基礎疾患がないこと。
- 短時間手術であること(1時間以内):鼠径ヘルニア、臍ヘルニア、小腫瘤摘出など
- 自宅が病院から1時間程度で戻れる圏内にあること。
小児外科医師の紹介(2024年4月1日現在)
-
外科医師(兼任)
高田 倫
Rin Takada
専門・資格・所属学会等
- 日本小児外科学会
- 日本外科学会
- 日本周産期・新生児学会
- 日本小児血液・がん学会
- 日本内視鏡学会
- 日本腹部救急医学会
-
非常勤
連 利博
Toshihiro Muraji
専門・資格・所属学会等
- 医学博士
- 日本小児外科学会認定医
- 日本外科学会認定医
- 日本小児外科学会指導医
- 産業医
連先生の自己紹介
連 利博(むらじ としひろ)と申します。よろしくお願いいたします。大阪生まれで、昭和50年関西医科大学を卒業後、兵庫医科大学で研修し、全国でも症例数の多い兵庫県立こども病院で20年間小児外科医として勤務いたしました。そのような貴重な経験の後、茨城県立こども病院(水戸市)外科部長、副院長として9年間勤務しました。
連先生の実績紹介
私のライフワークは胆道閉鎖症ですが、小児泌尿器科医以外の小児外科疾患はすべてオールラウンドに扱い、特に小児気道外科も経験してきました。小児おける気道外科はあまり注目されていませんので以下説明いたします。
低出生体重児で生まれ、肺が未熟であるため長期的に気管内挿管、呼吸管理され、その後後天性声門下腔狭窄を合併し抜管できずに気管切開を余儀なくされる子ども達は、低出生体重児自体が増えている昨今、増加しています。このような子ども達は成長しているにもかかわらず、気管切開が本当に必要なのかあまり評価されずにいるのが全国的な傾向です。比較的簡単に抜管できる場合がありますので、私は小学校に上がるまでに気管支鏡で評価したいと考えています。この評価の上、治療は抜管できる子どもには抜管し、できない場合はレーザー治療の後気管形成術を鹿児島大学附属病院、小児外科において行います。
データベース事業について
小児外科では一般社団法人NCDの取り組みである『専門医制度と連携したデータベース事業』に取り組んでおります。
この事業を通じて、患者様により適切な医療を提供するための専門医の適正配置が検討できるだけでなく、最善の医療を提供するための各臨床現場の取り組みを応援することが可能となります。
何卒趣旨をご理解の上、ご協力賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
詳しくはこちらの資料をご覧ください。