外来化学療法センターのご案内です。
霧島市立医師会医療センターでは平成21年4月に外来化学療法センターを新たに開設致しました。従来、抗がん剤化学療法の多くは入院で行われてきましたが、患者さんのニーズの変化(自宅での生活や仕事をしながらの治療など)、近年の医療情勢の変化、新規抗がん剤の開発および副作用対策の進歩などから、入院治療から外来治療に移行してきています。当院でも平成18年3月より外来化学療法室を5床で開設致しました。がん専門病院での研修を行った医師・看護師・薬剤師による化学療法チームを中心に、化学療法委員会での検討や第1・3金曜日のオープンキャンサーボード、地域の医療機関との連携を図りながら、化学療法を安全に提供するシステムを構築してきました。
平成20年度は年間で約430件、1日平均3~6件の治療を実施しています。高まる外来化学療法の需要に伴い、これまで以上に快適な環境でより安全に安心して治療を受けていただくために、今回のセンター化に至りました。
外来化学療法センターでは、治療室も広くなりアメニティも充実し、リクライニングチェアーを8台導入して、テレビなど自由にみられるようになっています。化学療法を受ける患者さんとご家族の待合室も同じフロアに設けました。待合室は、患者さん・ご家族がゆっくり過ごしいただけるように、食事がとれる場所や抗がん剤・脱毛などの副作用対策に関するパンフレットも置き自由に見ることが出来ます。患者さん同志の話し合いや体験のわかちあいの場として今後活用していけるものと思います。出会いの段階から緩和ケアは始まります。化学療法と緩和ケアは共に連携して進めていく必要があり、センター化と共にがん相談支援室も同じフロアに設け、緩和ケア認定看護師による相談が受けやすいように配慮致しました。 スタッフルームはがんマネジメント室と称して、がん診療に関わるスタッフがカンファレンスや相互の相談など自由に出来るよう、また、情報発信の場としても院内の職員のみならず地域のがん診療に携わるスタッフが学習できる場として今後も益々設備・内容の拡充に努めていく所存です。
地域の医療機関や調剤薬局などとの連携を深め、安心して化学療法を継続していくことができるよう努めていきたいと考えています。外来化学療法センターへのご理解、ご協力をよろしくお願い申し上げます。
スタッフ
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スタッフ
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外来化学療法の治療の流れ
各診療科の主治医より化学療法の適応がある方の紹介を受けて治療を行います。
オリエンテーション(約1時間)<治療開始の数日前までに>
- 医師によるオリエンテーション
治療内容、治療の効果についての説明
治療について患者さんの意思確認
- 薬剤師によるオリエンテーション
薬剤とその副作用についての説明
- 看護師によるオリエンテーション
受診の流れの説明
化学療法の設備の紹介
治療開始後の日々の自己体調管理について(自己管理ノートの使用方法)
治療の実際(当日)
- 血圧、体重、体温の測定/名札記入
↓ - 採血
専任医師による採血と点滴のための血管確保
↓ - 問診
自己管理ノートにより体調・副作用のチェック(採血の検査結果が出るまで1時間ほどかかります)
↓ - 診察
問診と検査結果により治療実施の検討→処方確定
↓ - 薬剤の調製
専任薬剤師2名のダブルチェックにより調製
↓ - 薬剤の再確認
医師と看護師により調製済薬剤のダブルチェック
↓ - 点滴開始
患者さんご本人と看護師が薬剤を確認後、投与開始
↓ - 投与中
医師により治療効果の判定と次回の予約の確認・体調・副作用の管理
↓ - 投与後
看護師が次回の予約を確認
体調に問題が無ければお会計へ
投与後の副作用のチェック等は随時行っています。
- 副作用症状についてのご相談・ケア
- 日々の生活でのアドバイス
患者さんご本人には、日々の体調を自己管理ノートに記載していただき、診察・治療の参考にしています。
各科と緊密な連携のもとに腫瘍カンファレンスを定期的にもち、個々の症例につき効果判定、治療法の変更等の決定を行っています。
施設紹介
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外来化学療法センターの入口です。 新棟1階部分にあります。 |
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リクライニングチェアーでゆったりリラックスしながら治療が出来ます。 |
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注射抗がん剤は安全キャビネットを用いて薬剤師がミキシングを行います。 |
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付き添われたご家族の待合や治療後の休憩や相談のスペースです。 日々の生活やご不安なことなどについてのご相談もお受けしています。 |
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様々なテーマで医療従事者のスキルアップを行っています。安心してお任せ下さい。 |